小沢健二の新しいアルバム「So kakkoii 宇宙」のレビューです。
このブログ、通常は音声メディアに関する記事が多いブログですが、今回は個人的な感想を書きます。
かなり「エモい」文章になると思いますが、興味のある方はどうぞ。
もくじ
作品概要
タイトル:So kakkoii 宇宙(そー かっこいい うちゅう)
作詞作曲(全曲):小沢健二
発売日:2019年11月13日
発売元:ユニバーサル・ミュージック・ジャパン
定価:3,850円(税込み)完全限定版CD
収録内容
01. 彗星
02. 流動体について
03. フクロウの声が聞こえる(魔法的オリジナル)
04. 失敗がいっぱい
05. いちごが染まる
06. アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)
07. 神秘的
08. 高い塔
09. シナモン(都市と家庭)
10. 薫る(労働と学業)
歌入りのアルバムは17年ぶり!
小沢健二の前作「Ecology of Everyday Life 毎日の環境学」は2006年発売。つまり今作は13年ぶりのアルバムとなります。
上記アルバムはインストゥルメンタル(歌ナシ)の作品でした。
歌入りのアルバムとしては、前々作「electric」(2002)以来なので、実に17年ぶり。
ところで、小沢健二はデビュー以来27年たちますが、オリジナルアルバムの発表は6枚のみです。
露出が少ないながらも(だからこそ、ともいえる)根強い人気がある、日本では珍しいアーティストといえるでしょう。
「LIFE」から26年
小沢健二のアルバムといえば「LIFE」が有名です。
「ラブリー」「今夜はブギー・バック」「ぼくらが旅に出る理由」など、名曲ぞろいのアルバム。
よほどコアなファンでない限り、「オザケンといえばLIFE」といえるほどの代表作です。
LIFE(1994年)はもう26年も前になるんですね。
シングル発売は、1998年1月の「春にして君を想う」が活動休止前の最後で、「流動体について」が2017年2月だから、19年ぶりのシングル曲ということになります。
その後から現在2020年2月までに、もう2枚のシングル曲が発売されています。
「So kakkoii 宇宙」ってどこから来たの?
久方ぶりのアルバムのタイトルは「So kakkoii 宇宙」
不思議なタイトルですが、どんな意味があるのでしょうか?
「アエラ」のインタビュー記事によると息子の凛音くん(6歳)の口癖から取ったそうです。
母親のエリザベスさんはアメリカ人で、自然とバイリンガルとなり、日常会話的に英語と日本語が入り混じるのでしょうね。
子どもっぽさがありながらも、何とも言えない壮大さを感じる良いタイトルだと思います。
アルバム最後の「薫る(労働と学業)」の曲中にも 「So kakkoii 宇宙」は歌詞として出てきます。
名曲ぞろい!
このパートは、後ほど書き加えたいと思います。
「LIFE」が完璧すぎた?
小沢健二は有名でファンも多いアーティストです。
長い間、TVや雑誌などの表立った活動をしていないのにも関わらず、根強いファンが多い印象です。
活動期間は長いですが、作品数はそれほど多くありません。
27年の活動期間で発表されたオリジナルアルバムは、たった6枚です。
シングルは21枚発表されていますが、同じ活動期間のアーティストと比較すると少ないです。
「LIFE」というたった1枚のアルバムが、完璧すぎのでは?とぼくは思っています。
小沢健二、いい曲はたくさん作っているんですが、期間が集中しすぎているというか、1枚に濃縮され過ぎた、というか。
「LIFE」からのシングルカットは4曲ですが、
Google検索がひどいw
ちなみに、ですけどGoogleで「小沢健二 ディスコグラフィー」と検索したところ、アルバムは
「LIFE」(1994年)と
「So kakkoii 宇宙」
の2枚だけになってました。
6枚出してるのにw
「LIFE」で頂点を極めてしまった?
Googleの「発表アルバムは2枚」という判断はあまりにもだと思いますw
でも、他のアルバムが霞んでしまうくらい「LIFE」というアルバムが完璧だったことは否めません。
ぼくの勝手な解釈ですが、小沢健二は
2枚目にして「LIFE」という完璧な作品を作り上げてしまったので、それ以降のモチベーションが上がらなかったのでは?と思っています。
はい。でもそんなに間違っていない気がするんですよね。
ある意味「LIFE」の大ヒットで、小沢健二という一人の人は、大きく傷ついたんではないでしょうか。
その傷が癒えるのに20年という歳月や海外での活動が必要だったのでは?と思っています。
LIFEを超えるアルバムかも?
そして2019年に発表された本作「So kakkoii 宇宙」
本当に素晴らしいアルバムだと思います。
「LIFE」が若さと才能に満ち溢れた作品だとするなら、本作はその才能が時を経て、別の輝き方をしているように感じます。
楽曲のクオリティ的に優劣は付けがたいですが、長い活動休止後を経て差し出されたアルバム、というところにストーリー性を感じずにはいられません。
テレビで歌うオザケンを見て、涙。
「フクロウの声が聞こえる」2017年9月(セカイノオワリとのコラボ曲) をミュージックステーションで観ました。
テレビでオザケンを見るのは20年ぶりくらいでした。
随分年を取っていて(当たり前だけど)声もぜんぜん出ていなかったです。
若いころの彼を知らない若い人からすると「あまり歌の上手くない変わった童顔のおじさん」くらいに映ったかもしれないですね。
だけど、ぼくは感動してしまいました。
ちょっと涙がでるくらいに。
なぜなら、そこには、20年間「ちゃんと生きてきた人」の姿があったからです。
歌手の中には売れなくなってやむを得なくシーンから撤退して、ほとぼりが冷めた頃、「懐メロ」(あの人は今)みたいな感じで再登場するようなアーティストもいます。
でも、オザケンはそんな「あの人は今」的なアーティストとはぜんぜん違いました。
楽曲も演奏も、新鮮さに溢れていました。
「俺は自分の意志で音楽活動を停止して、そして自分の意志でまた戻ってきたんだよ」
と全身で言っている感じがしました。
久しぶりのテレビ出演に緊張はしていて、でもそれをしっかり受け止めていて、開き直っていて、また楽しんでもいるように見えました。
オザケンのTwitter
長い間表立った活動をしていなかった小沢健二が2019年4月、Twitterのアカウントを突如開設しました。
現在のフォロワー数は14万人。
オザケンファンの根強さがわかりますね。
アレクサでも聴ける!
新しいアルバム「So kakkoii 宇宙」は、配信サービスでも聴くことができます。
Amazon Music Unlimitedで聴けます。
ぼくは毎日のように 「アレクサ、オザケンの新しいアルバムかけて」と頼んでます。
素晴らしいアルバムだと思います。
「LIFE」もそうだけど、小沢健二の音楽って、聴けば聴くほど沁みてくるところがあります。
好きな曲
特に好きな曲は
1曲目の「彗星」はオザケン復活を印象付ける名曲です。
最後10曲目「薫る(労働と学業)」の歌詞は感動的。
サビの部分だけ引用してみます。
君が君の仕事をする時
偉大な宇宙が薫る
あきらめることなくくり出される
その技を見せつけてよ
君が君の学業をする時 偉大な宇宙が 薫る
恐れることもなき好奇心を
図書館の机で見せつけてよ
6曲目の「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」もシビれる曲。
配信でもCDでもいいので、ぜひ聴いてみてください。
おわります。
おまけ:ラジオで小沢健二について語っています
管理人のいわみが RadioTalkという音声配信アプリにてラジオ配信をやっています。
小沢健二について熱く語った回がコチラです。
https://radiotalk.jp/talk/231151